僕の恋ばな第10弾、ついに最終章です。
なんとなんと、かれこれ7年振りかな…笑
待っていた方がいたなら、本当に、本当に申し訳ありませんでした。
初めて読む方も、そうでない方も
お時間のある方は、良かったら読んでみてください。
待っている間、僕は彼女に伝えるべき言葉を
でもどれが最善の言葉なのか、
「遅くなって、ごめんね」
待つこと二十分
でも、やっぱりこのままではいけないと思った僕は、
軽い笑顔を作って、ようやくこう切り出すのだった。
「久しぶりやね。元気やった?」
彼女は何も言わなかった。
小さく頷くだけだった。
「何か飲む?」
そう続けた僕の言葉にも
二人の間には完全に重苦しい空気が立ち込めていた。
「今日は一段と寒いね」
そんなありきたりな言葉にも
「そうやね…」
彼女はやっぱりそんな感じで
「あぁ、そうや。チョコレートありがとう。お礼言うの遅くなってごめんね。
でも、すごく美味しかったよ。あれって手作り?」
僕は少しだけテンションを上げて、そうも訊いてみた。
でも彼女はやはり小さく頷くだけで、話を膨らませることは決してなかった。
二人の間には
「ごめん…、優美には一番最初に言おうとも思ったんやけど、言いづらくて…
でもしばらくして、ようやく状況を把握した僕は、
「優美を追わなきゃ」
すぐにそう思い直し、焦るように席を立った。
僕は、急いでレジに行くと
「釣りはいいですから」
急かせるように、店員にそう言うと、
動揺していた。
激しく動揺していた。
それでも
「とにかく優美を探さなきゃ」
その想いのみに駆り立てられた僕は
でもどこをどう探しても
こうして、僕の「宝物」は無くなった。
僕と優美とをつなぐものは、全て無くなった。
その間、僕の涙が止まることはないのだった。
最後の一週間、僕は毎日のように送別会に呼ばれ、同期やお世話になった、先輩方との別れを惜しんだ。
「もったいない」
先輩たちは、皆一様そう言ってくれた。
「寂しくなるな」
本気で泣いてくれる、友人もいた。
でも、僕が涙を流すことは決してなかった。
何故なら僕の涙は
そんな去り際に
部屋に入るなり、僕はやっぱり
ただそんなショートヘアになった彼女でさえ、
僕には以前と何ら変わらず
僕は皆んなに、頭を下げ続けているのだった。
僕は、優美にたくさんのものを貰った…
かけがえのないものも、たくさん貰った…
でも最後に、一番の「宝物」を貰った…
僕は、優美に感謝した。
ただただ、感謝していた。
翌二月二十七は、僕が大阪を発つ日だった。
見上げる空は雲一つないようなさわやかなブルー一色に染められ、
それはあたかも、僕の旅立ちを祝うかのようでさえあった。
僕は玄関で、管理人さんや親交のある友人たちに温かく見送られた。
別れを惜しむように、熱い包容や握手なんかを激しく交わした。
そんな中、坂井君が車で空港まで送るよと言ってくれた。
でも僕は、
「ここで、充分だよ」
そう言って断った。
空港での別れなんて、しんみりするから嫌だった。
僕は笑って「さよなら」したかった。
とにかく笑って…
そしてそんな想いをたくさん抱えながら、
最後に、優美は笑顔でこう言った。
「このまま二人で、どっか遠くへ逃げちゃおうか…」
そんな彼女の右手の薬指には
なお、第1章~第9章はブログを遡ると出てきます。
少しお手数をお掛けしてしまいますが、何とぞよろしくお願いします。
その日は、1993年の2月16日。
僕が会社を辞める、ちょうど十日前だった。
冬景色に染まった空は、分厚い雲に覆われて、
とにかく寒さの厳しい一日だった。
以前待ち合わせで使ったことのある、会社近くの喫茶店で、
僕らは、就業後に待ち合わせをした。
先に着いた僕は、落ち着かない様子で、優美が来るのを待った。
とりあえず、コーヒーを注文した。
その日は、1993年の2月16日。
僕が会社を辞める、ちょうど十日前だった。
冬景色に染まった空は、分厚い雲に覆われて、
とにかく寒さの厳しい一日だった。
以前待ち合わせで使ったことのある、会社近くの喫茶店で、
僕らは、就業後に待ち合わせをした。
先に着いた僕は、落ち着かない様子で、優美が来るのを待った。
とりあえず、コーヒーを注文した。
待っている間、僕は彼女に伝えるべき言葉を
まだ模索し続けていた。
でもどれが最善の言葉なのか、
はっきりとした答えは
まだ出ていないのだった。
「遅くなって、ごめんね」
待つこと二十分
ようやく彼女はやって来た。
ゆっくりと彼女は席に着いた。
僕は彼女の姿を見た瞬間から
ゆっくりと彼女は席に着いた。
僕は彼女の姿を見た瞬間から
ドキドキが止まらなかった。
彼女の顔なんて、ちっともまともに見ることが出来なかった。
言葉も、なかなか出て来なかった。
息が詰まるような沈黙は続いた。
でもこのままではいけないと思った僕は、そんな思いを必死で抑えながら、
彼女の顔色をそっと窺った。
一瞬、目が合った。
しかし彼女は、少しも表情を変えることなく、視線をすぐに逸らすのだった。
気まずかった。
会えない長い時間が
彼女の顔なんて、ちっともまともに見ることが出来なかった。
言葉も、なかなか出て来なかった。
息が詰まるような沈黙は続いた。
でもこのままではいけないと思った僕は、そんな思いを必死で抑えながら、
彼女の顔色をそっと窺った。
一瞬、目が合った。
しかし彼女は、少しも表情を変えることなく、視線をすぐに逸らすのだった。
気まずかった。
会えない長い時間が
いつしか二人をすっかりぎこちなくさせていた。
でも、やっぱりこのままではいけないと思った僕は、
軽い笑顔を作って、ようやくこう切り出すのだった。
「久しぶりやね。元気やった?」
彼女は何も言わなかった。
小さく頷くだけだった。
「何か飲む?」
そう続けた僕の言葉にも
「じゃぁ、紅茶で」
暗い感じでそう答えるだけだった。
暗い感じでそう答えるだけだった。
二人の間には完全に重苦しい空気が立ち込めていた。
「今日は一段と寒いね」
そんなありきたりな言葉にも
「そうやね…」
彼女はやっぱりそんな感じで
必要最小限の言葉しか返さなかった。
目もろくに合わせてくれなかった。
目もろくに合わせてくれなかった。
「あぁ、そうや。チョコレートありがとう。お礼言うの遅くなってごめんね。
でも、すごく美味しかったよ。あれって手作り?」
僕は少しだけテンションを上げて、そうも訊いてみた。
でも彼女はやはり小さく頷くだけで、話を膨らませることは決してなかった。
二人の間には
もう取返しのつかない空気さえ感じた。
そんな空気を切り裂くように、店員が
そんな空気を切り裂くように、店員が
紅茶を運んできた。
彼女それを少しだけ口にした。
二人の間に、再び重苦しい沈黙が流れた。
でもここで、遂に覚悟を決めた僕は
彼女が視線を合わせるのを待って、静かにこう切り出すのだった。
「そうや、もう知ってるかもやけど、俺二月いっぱいで会社辞めて、九州に帰るわ」
僕がそう口にした瞬間から、彼女はうつむき加減になった。
そう話した僕の心も
彼女それを少しだけ口にした。
二人の間に、再び重苦しい沈黙が流れた。
でもここで、遂に覚悟を決めた僕は
彼女が視線を合わせるのを待って、静かにこう切り出すのだった。
「そうや、もう知ってるかもやけど、俺二月いっぱいで会社辞めて、九州に帰るわ」
僕がそう口にした瞬間から、彼女はうつむき加減になった。
そう話した僕の心も
実はこの時、すでに深い悲しみで泣いていた。
「ごめん…、優美には一番最初に言おうとも思ったんやけど、言いづらくて…
言えなかった…本当ごめん…」
僕が続けて言ったその言葉にも、彼女は言葉を返すことはないのだった。
ずっと下を向いていた。
さらなる深い沈黙が、二人を包み込んだ。
でも、どうしても本当の気持ちを伝えなければいけないと思った僕は、
そんな彼女にも、次の言葉を口にしようとした。
その時だった。
おもむろに、彼女は立ち上がった。
かと思うと何も言わず
僕が続けて言ったその言葉にも、彼女は言葉を返すことはないのだった。
ずっと下を向いていた。
さらなる深い沈黙が、二人を包み込んだ。
でも、どうしても本当の気持ちを伝えなければいけないと思った僕は、
そんな彼女にも、次の言葉を口にしようとした。
その時だった。
おもむろに、彼女は立ち上がった。
かと思うと何も言わず
そのまま走るように喫茶店を飛び出して行ったのだった…
動けなかった。
あまりの突然なことに、あっけにとられてしまった僕は、
完全に固まってしまっていた…
何が起こったのか、とてもすぐには理解出来なかった。
動けなかった。
あまりの突然なことに、あっけにとられてしまった僕は、
完全に固まってしまっていた…
何が起こったのか、とてもすぐには理解出来なかった。
でもしばらくして、ようやく状況を把握した僕は、
「優美を追わなきゃ」
すぐにそう思い直し、焦るように席を立った。
僕は、急いでレジに行くと
「釣りはいいですから」
急かせるように、店員にそう言うと、
二千円を台に叩きつけ
そのまま走るように喫茶店を飛び出していった。
店の前で、僕はすぐさま
店の前で、僕はすぐさま
彼女の家の方向に目をやった。
でも、彼女の姿は
でも、彼女の姿は
もうどこにもないのだった…
動揺していた。
激しく動揺していた。
それでも
「とにかく優美を探さなきゃ」
その想いのみに駆り立てられた僕は
彼女自宅方面に向かいながら、
ありとあらゆる場所を探して回った。
とにかく、必死で探し回った。
ありとあらゆる場所を探して回った。
とにかく、必死で探し回った。
でもどこをどう探しても
どこにどう行っても、
優美の姿を見つけることは
優美の姿を見つけることは
出来ないのだった。
やむなく僕は、彼女の自宅マンションの前で、隠れて待つことにした。
悪いとは思ったが、彼女の自宅にも電話を掛けてしまった。
でも何度掛けても、何度鳴らしても、誰も電話に出ることはないのだった。
旦那の西岡さんの帰宅時間を考えて、電話はいい加減諦めることにした。
時刻はすでに、20時を回っていた。
それでも、僕は待った。
待ち続けた。
彼女とどうしても話をしたかった僕は、とにかく彼女を待ち続けた。
気が付くと、小雨が散らついてきた。
寒さと相まって、凍えそうになった。
それでも、僕は待った。
待ち続けた。
その時の僕には、もうそうする他にないのだった…
僕はそれからも、彼女を待った。
門限ぎりぎりの23時まで、待ち続けた。
でもいつまで待っても、いつまで経っても、
彼女の姿を見つけることは出来いのだった。
僕はすぐに彼女を追わなかったことを、後悔して止まなかった。
でも、今さら何を考えても、何をどう後悔しても、それはもう遅かった。
仕方なく、僕は家路に就いた。
つめたい小雨に打たれながら、僕は心まで冷え切っていた。
翌日からの僕は、慌ただしく退職の準備に追われた。
係内にも、僕の退職がやがて発表された。
僕は皆の前で、理由を添えてその旨を伝えた。
「ホンマに辞めんのか?」
先輩たちは、皆残念そうにそう言ってくれた。
「すみません…」
でも僕は、そうとしか言わなかった。
そんな僕の姿を見た後藤係長が、こんな言葉を贈掛けてきた。
「会社を辞めても、俺たちの関係がここで終わることはないからな。
僅か五ヶ月間だったけど、この出会いを一生忘れることなく、これからも大切にしていこう」
「はい。ありがとうございます」
僕は深々と頭を下げた。
係長の言葉が、やけに心に染みた。
そんな係長の心の広さに、深く感激せずにもいられなかった。
「こんな大人になりたい」
そんなふうにさえ、最後は思った。
僕は自分の選択を、この時少しだけ後悔していた。
ただそんなふうに慌ただしく過ごしながらも、
僕の頭の中は、やっぱり優美のことでいっぱいだった。
優美に会いに行くべきかどうか、ずっと迷っていた。
でも、そうしなかった。
いや、出来なかった。
彼女を完全に傷つけてしまった…
勝手にそう思う僕には、
どうしても、どうしても
やむなく僕は、彼女の自宅マンションの前で、隠れて待つことにした。
悪いとは思ったが、彼女の自宅にも電話を掛けてしまった。
でも何度掛けても、何度鳴らしても、誰も電話に出ることはないのだった。
旦那の西岡さんの帰宅時間を考えて、電話はいい加減諦めることにした。
時刻はすでに、20時を回っていた。
それでも、僕は待った。
待ち続けた。
彼女とどうしても話をしたかった僕は、とにかく彼女を待ち続けた。
気が付くと、小雨が散らついてきた。
寒さと相まって、凍えそうになった。
それでも、僕は待った。
待ち続けた。
その時の僕には、もうそうする他にないのだった…
僕はそれからも、彼女を待った。
門限ぎりぎりの23時まで、待ち続けた。
でもいつまで待っても、いつまで経っても、
彼女の姿を見つけることは出来いのだった。
僕はすぐに彼女を追わなかったことを、後悔して止まなかった。
でも、今さら何を考えても、何をどう後悔しても、それはもう遅かった。
仕方なく、僕は家路に就いた。
つめたい小雨に打たれながら、僕は心まで冷え切っていた。
翌日からの僕は、慌ただしく退職の準備に追われた。
係内にも、僕の退職がやがて発表された。
僕は皆の前で、理由を添えてその旨を伝えた。
「ホンマに辞めんのか?」
先輩たちは、皆残念そうにそう言ってくれた。
「すみません…」
でも僕は、そうとしか言わなかった。
そんな僕の姿を見た後藤係長が、こんな言葉を贈掛けてきた。
「会社を辞めても、俺たちの関係がここで終わることはないからな。
僅か五ヶ月間だったけど、この出会いを一生忘れることなく、これからも大切にしていこう」
「はい。ありがとうございます」
僕は深々と頭を下げた。
係長の言葉が、やけに心に染みた。
そんな係長の心の広さに、深く感激せずにもいられなかった。
「こんな大人になりたい」
そんなふうにさえ、最後は思った。
僕は自分の選択を、この時少しだけ後悔していた。
ただそんなふうに慌ただしく過ごしながらも、
僕の頭の中は、やっぱり優美のことでいっぱいだった。
優美に会いに行くべきかどうか、ずっと迷っていた。
でも、そうしなかった。
いや、出来なかった。
彼女を完全に傷つけてしまった…
勝手にそう思う僕には、
どうしても、どうしても
彼女会いに行くことが出来なかった。
そして、あの時のあの彼女の行動が、
僕が出した「答え」に対する、彼女の「答え」だとも
思ったからでもあった。
僕も今さら
そして、あの時のあの彼女の行動が、
僕が出した「答え」に対する、彼女の「答え」だとも
思ったからでもあった。
僕も今さら
僕がすでに出したその「答え」を、
変えれるはずも、ないのだった…
その日の夜から、僕は九州に帰る準備を始めた。
荷物を整理していると、数々の思い出の写真が出てきた。
入社式、友人の結婚式、慰安旅行、さらには澤井さん達との焼き肉パーティー…
僕は、夢中で写真に見入った。
そして、その中で特に大事にしまっておいたのが
変えれるはずも、ないのだった…
その日の夜から、僕は九州に帰る準備を始めた。
荷物を整理していると、数々の思い出の写真が出てきた。
入社式、友人の結婚式、慰安旅行、さらには澤井さん達との焼き肉パーティー…
僕は、夢中で写真に見入った。
そして、その中で特に大事にしまっておいたのが
優美との写真だった。
気が付くと僕は、写真の中の彼女をひたすら見つめていた。
時が経つのも、すっかり忘れて…
楽しそうに微笑む彼女が、そこにはたくさんいた。
並んで撮ったツーショット写真を見つけた時には、
それまでにないほど、切ない気持ちにもなった。
彼女との輝いていた様々な想い出が、溢れるほどにも思い出されてきた。
でもこの写真を、杏子の元に持って帰る訳にはいかないのだった。
そんなこと
気が付くと僕は、写真の中の彼女をひたすら見つめていた。
時が経つのも、すっかり忘れて…
楽しそうに微笑む彼女が、そこにはたくさんいた。
並んで撮ったツーショット写真を見つけた時には、
それまでにないほど、切ない気持ちにもなった。
彼女との輝いていた様々な想い出が、溢れるほどにも思い出されてきた。
でもこの写真を、杏子の元に持って帰る訳にはいかないのだった。
そんなこと
出来る筈もないのだった。
だから僕は、悲愴な覚悟を持って、その写真を全て破り捨てることにした。
そうすることで、優美とのけじめをきちんとつけようとも思った。
そして、優美との思いでを一つ一つ深く心に刻みつつ
だから僕は、悲愴な覚悟を持って、その写真を全て破り捨てることにした。
そうすることで、優美とのけじめをきちんとつけようとも思った。
そして、優美との思いでを一つ一つ深く心に刻みつつ
僕は写真を破り捨てていった。
一枚… また一枚…
一枚… また一枚…
少しづつ… 少しづつ…
こうして、僕の「宝物」は無くなった。
僕と優美とをつなぐものは、全て無くなった。
その間、僕の涙が止まることはないのだった。
最後の一週間、僕は毎日のように送別会に呼ばれ、同期やお世話になった、先輩方との別れを惜しんだ。
「もったいない」
先輩たちは、皆一様そう言ってくれた。
「寂しくなるな」
本気で泣いてくれる、友人もいた。
でも、僕が涙を流すことは決してなかった。
何故なら僕の涙は
すべて優美の為だけに流されていて、
すでに、これっぽっちも残っていないからだった。
そんなふうに慌ただしく過ごしていた退社三日前の二月二十三日、
耳を疑うかのような衝撃的な話が、僕のところに飛び込んできた。
昼休みに中庭で友人とくつろいでいると、坂井君が慌てるように僕の前に現れた。
そして彼は、吃驚したかのような顔をしたかと思うと、
ありえない事実を、いきなり僕に告げてきた。
「優美ちゃんさー、髪ばっさり切って、ショートヘアになってたで」
その言葉を聞いた瞬間、僕は頭の中が真っ白になった。
言葉が出て来なかった。
何も考えられなかった。
それほどまでの衝撃を
すでに、これっぽっちも残っていないからだった。
そんなふうに慌ただしく過ごしていた退社三日前の二月二十三日、
耳を疑うかのような衝撃的な話が、僕のところに飛び込んできた。
昼休みに中庭で友人とくつろいでいると、坂井君が慌てるように僕の前に現れた。
そして彼は、吃驚したかのような顔をしたかと思うと、
ありえない事実を、いきなり僕に告げてきた。
「優美ちゃんさー、髪ばっさり切って、ショートヘアになってたで」
その言葉を聞いた瞬間、僕は頭の中が真っ白になった。
言葉が出て来なかった。
何も考えられなかった。
それほどまでの衝撃を
僕はその時受けているのだった。
そう、彼女のさらさらロングヘアは、彼女の「象徴」そのものだった…
そして、そんな彼女のロングヘアが
僕は大好きだった…
この時僕は、彼女の僕への思いを
そう、彼女のさらさらロングヘアは、彼女の「象徴」そのものだった…
そして、そんな彼女のロングヘアが
僕は大好きだった…
この時僕は、彼女の僕への思いを
少しだけ知ることとなった。
そして、それは同時に
そして、それは同時に
僕との完全なる「決別」の意をも
知ることとなった。
それでも僕は、彼女の僕への想いが
それでも僕は、彼女の僕への想いが
偽りでなかったことが、素直に嬉しかった。
そのことがはっきりしただけでも、十分満足だった。
だから僕は、これで、全てのことを吹っ切ることが出来ると思った。
いや、出来たと思う。
そしてすっかり穏やかな気持ちになった僕は、
思わず坂井君に、こんなセリフを口にしているのだった。
「優美ちゃん、俺が会社辞めるの、よっぽどショックやったんやね」
そんな僕の顔は、清々しさに満ち溢れているのだった。
迎えた一九九三年二月二十六日。
会社を辞めるその日、僕は社内で最後の挨拶周りをして回った。
どんな人に会っても、僕の「結婚退職」ばかりに話が飛んだ。
僕はひたすら、苦笑いをするだけだった。
諸先輩方からは、温かい言葉をたくさん頂いた。
その言葉の数々は、これからの僕の人生の指針となるものもたくさんあった。
僕はただただ、感謝するだけだった。
香織さんの在籍する設計システム八課にも立ち寄った。
「いろいろとお世話になりました」
「こちらこそ。楽しかったよ」
「太田さんと末永く仲良くして下さいね」
「そっちも、幸せになってね」
僕らは笑顔で、最後までそんな会話を続けた。
そのことがはっきりしただけでも、十分満足だった。
だから僕は、これで、全てのことを吹っ切ることが出来ると思った。
いや、出来たと思う。
そしてすっかり穏やかな気持ちになった僕は、
思わず坂井君に、こんなセリフを口にしているのだった。
「優美ちゃん、俺が会社辞めるの、よっぽどショックやったんやね」
そんな僕の顔は、清々しさに満ち溢れているのだった。
迎えた一九九三年二月二十六日。
会社を辞めるその日、僕は社内で最後の挨拶周りをして回った。
どんな人に会っても、僕の「結婚退職」ばかりに話が飛んだ。
僕はひたすら、苦笑いをするだけだった。
諸先輩方からは、温かい言葉をたくさん頂いた。
その言葉の数々は、これからの僕の人生の指針となるものもたくさんあった。
僕はただただ、感謝するだけだった。
香織さんの在籍する設計システム八課にも立ち寄った。
「いろいろとお世話になりました」
「こちらこそ。楽しかったよ」
「太田さんと末永く仲良くして下さいね」
「そっちも、幸せになってね」
僕らは笑顔で、最後までそんな会話を続けた。
そんな去り際に
香織さんが突然こう言ってきた。
「そう言えば、優美ちゃん、髪切ったね…」
そんな香織さんの顔は、意味深な笑みに満ち溢れていた。
そして、軽やかに僕の元から去っていった。
やっぱり、香織さんには全て見透かされていたのだろうか。
まぁ今となっては
「そう言えば、優美ちゃん、髪切ったね…」
そんな香織さんの顔は、意味深な笑みに満ち溢れていた。
そして、軽やかに僕の元から去っていった。
やっぱり、香織さんには全て見透かされていたのだろうか。
まぁ今となっては
もうどうでもいいことだが。
そして一番最後に
そして一番最後に
後回しにしていた優美のいる設計システム三課を、僕は訪れた。
部屋に入るなり、僕はやっぱり
彼女の姿を目で追っていた。
でもどこをどう見渡しても、どこをどう探しても、彼女の姿を見つけることは出来ないのだった。
「僕に会いたくないからだろうか…」
そんな卑屈になるような思いばかりが、無償に心に覆っていった。
仕方なく僕はお世話になった先輩たちに、順々に挨拶をして回った。
顔見知りの先輩だらけで、僕の顔は自然とほころんでいた。
三浦課長や木下係長にも、きちんと挨拶できた。
そこには、蟠りを持った僕の姿は
でもどこをどう見渡しても、どこをどう探しても、彼女の姿を見つけることは出来ないのだった。
「僕に会いたくないからだろうか…」
そんな卑屈になるような思いばかりが、無償に心に覆っていった。
仕方なく僕はお世話になった先輩たちに、順々に挨拶をして回った。
顔見知りの先輩だらけで、僕の顔は自然とほころんでいた。
三浦課長や木下係長にも、きちんと挨拶できた。
そこには、蟠りを持った僕の姿は
もうどこにもないのだった。
一通り挨拶を終えたところで、突然
一通り挨拶を終えたところで、突然
優美が目の前に現れてきた。
僕は、彼女の姿を見た瞬間から、胸の震えが止まらなくなった。
でも、ようやく彼女を見ることが出来た僕の顔からは
僕は、彼女の姿を見た瞬間から、胸の震えが止まらなくなった。
でも、ようやく彼女を見ることが出来た僕の顔からは
いつしか、自然と笑みがこぼれているのだった。
やっぱり、嬉しかった…
そんな彼女の髪は、聞いていた通りのショートヘアになっていて、
僕の知る彼女とは、似ても似つかぬ人にも見えた。
あ、それは少し言い過ぎかな…
でも、すぐく驚いた。
やっぱり、嬉しかった…
そんな彼女の髪は、聞いていた通りのショートヘアになっていて、
僕の知る彼女とは、似ても似つかぬ人にも見えた。
あ、それは少し言い過ぎかな…
でも、すぐく驚いた。
ただそんなショートヘアになった彼女でさえ、
僕には以前と何ら変わらず
眩しく見えていた。
髪型が少しぐらい変わっても
髪型が少しぐらい変わっても
彼女は、やっぱり彼女だった。
ずっと、可愛いままだった…
僕にとって
未来永劫、永久不変に。
「髪切ったんや」
僕は、知らなかったといった、驚いた顔をした。
でも、すぐにこう続けているのだった。
「似合ってるね」
彼女、何も言わなかった。
ただただ、はにかんだ顔をしていた。
「はい、これ」
すると彼女は、突然そう言って、
なにやら、手に持っていた白い紙を僕に渡してきた。
「色紙」だと、直ぐにわかった。
僕はそれを受け取ると、すぐさま見入った。
するとその色紙には、設計システム三課を中心とした
僕に携わった人たちのメッセージが、
隙間もないぐらいに、びっしりと書かれてあるのだった。
驚いた。
とにかく驚いていた。
そして、ひどく感動してしまって、
思わず涙が出そうになった。
でも皆んなの手前
ずっと、可愛いままだった…
僕にとって
未来永劫、永久不変に。
「髪切ったんや」
僕は、知らなかったといった、驚いた顔をした。
でも、すぐにこう続けているのだった。
「似合ってるね」
彼女、何も言わなかった。
ただただ、はにかんだ顔をしていた。
「はい、これ」
すると彼女は、突然そう言って、
なにやら、手に持っていた白い紙を僕に渡してきた。
「色紙」だと、直ぐにわかった。
僕はそれを受け取ると、すぐさま見入った。
するとその色紙には、設計システム三課を中心とした
僕に携わった人たちのメッセージが、
隙間もないぐらいに、びっしりと書かれてあるのだった。
驚いた。
とにかく驚いていた。
そして、ひどく感動してしまって、
思わず涙が出そうになった。
でも皆んなの手前
僕は必死でそれを我慢した。
すると彼女が、「お疲れ様でした」の言葉と共に拍手を始めた。
その言葉と拍手は、瞬く間に皆へと広まり、
僕は温かい声と大きな拍手の渦に、あっという間包まれるのだった。
めちゃくちゃ照れくさかった。
でも内心は、そんな彼女の心遣いに
すると彼女が、「お疲れ様でした」の言葉と共に拍手を始めた。
その言葉と拍手は、瞬く間に皆へと広まり、
僕は温かい声と大きな拍手の渦に、あっという間包まれるのだった。
めちゃくちゃ照れくさかった。
でも内心は、そんな彼女の心遣いに
感謝せずにはいられないのだった。
彼女おかげで、僕はこの会社に就職してよかったとさえ、最後に思うことが出来たからだった。
その声と拍手が鳴りやむまで、いつまでも、いつまでも、
彼女おかげで、僕はこの会社に就職してよかったとさえ、最後に思うことが出来たからだった。
その声と拍手が鳴りやむまで、いつまでも、いつまでも、
僕は皆んなに、頭を下げ続けているのだった。
僕は、優美にたくさんのものを貰った…
かけがえのないものも、たくさん貰った…
でも最後に、一番の「宝物」を貰った…
僕は、優美に感謝した。
ただただ、感謝していた。
翌二月二十七は、僕が大阪を発つ日だった。
見上げる空は雲一つないようなさわやかなブルー一色に染められ、
それはあたかも、僕の旅立ちを祝うかのようでさえあった。
僕は玄関で、管理人さんや親交のある友人たちに温かく見送られた。
別れを惜しむように、熱い包容や握手なんかを激しく交わした。
そんな中、坂井君が車で空港まで送るよと言ってくれた。
でも僕は、
「ここで、充分だよ」
そう言って断った。
空港での別れなんて、しんみりするから嫌だった。
僕は笑って「さよなら」したかった。
とにかく笑って…
そしてそんな想いをたくさん抱えながら、
僕は三年間お世話になった寮を
旅立つのだった。
僕はずっと通っていた道のりを、
ゆっくりと噛みしめながら歩いていた。
その僕の脳裏には、様々な想い出が走馬燈のようにも駆け巡っていた。
良いことも、いろいろあった。
それに負けないぐらい、悲しいこともたくさんあった。
でも、後悔なんてもうないのだった。
何故なら
僕はずっと通っていた道のりを、
ゆっくりと噛みしめながら歩いていた。
その僕の脳裏には、様々な想い出が走馬燈のようにも駆け巡っていた。
良いことも、いろいろあった。
それに負けないぐらい、悲しいこともたくさんあった。
でも、後悔なんてもうないのだった。
何故なら
それが僕のここ大阪での、
僅か三年余りだけど
僅か三年余りだけど
「軌跡」でもあるからだ。
僕がこの時代ここに存在したという、「証」でもあるからだ。
ただやっぱり一番に思い出されるのは
僕がこの時代ここに存在したという、「証」でもあるからだ。
ただやっぱり一番に思い出されるのは
もちろん優美のことだった。
確かに最後は辛い想いもいっぱいして、
この恋の結末は
確かに最後は辛い想いもいっぱいして、
この恋の結末は
必ずしもハッピーエンドとはいかなかったかもしれないけど、
僕は彼女にたくさんの想い出を
僕は彼女にたくさんの想い出を
与えてもらったからだ。
彼女との想い出はこれからも色褪せることなく輝いて、
永遠に僕の中で生き続けるからだ。
僕は青空同様、晴れ々とした気分で、
彼女との想い出はこれからも色褪せることなく輝いて、
永遠に僕の中で生き続けるからだ。
僕は青空同様、晴れ々とした気分で、
空港への道のりを進めていった。
空港に着いた僕は、チェックインの準備を早々と済ませた。
余裕をもって来たせいか、時間はまだたっぷりとあった。
煙草でも吸いながら、ベンチに座って待つことにした。
でもやっぱり時間を持て余してきたので、売店で雑誌を買った。
僕はしばらくの間、その雑誌を読みいっていた。
すると何やら遠くの方から、甲高い足音が聞こえてくるのが分かった。
ヒールの音だった。
そしてその音は段々大きくなって近づいてきたかと思うと、
僕の目も前でぴたりと止まった。
見ると、細くて綺麗な女性の脚だった。
僕はゆっくりと顔を上げた。
すると荒い息づかいと共に聞きなれた声が、僕の耳に飛び込んでくるのだった。
「よかった… 間に合った」
見上げるとそこには、優美がいた。
僕は自分の目を思わず疑った。
きっと、夢だと思った。
でも夢じゃなかった。
だって、目の前が優美がいた。
現実だった…
確かに、現実だった…
「最後にどうしても会っておきたかったの。
だって、ちゃんと『さよなら』言ってなかったでしょ…」
彼女は肩で激しく息をしながら、そう言ってきた。
かと思うと、いきなり僕の手を取って、おもむろに立ち上がらせた。
さらにそうしたかと思うと、今度は人目も憚らず、僕に抱き付いてきた。
僕は突然のことに、ただただ驚嘆するだけだった。
でもしばらくして我に返った僕も、彼女を抱き締めていた。
なりふり構わず…
「わざわざ、来てくれたんだ」
「うん」
「すごく嬉しい」
「うん」
「でも、よく時間分かったね」
「うん」
「坂口くんにでも訊いたの?」
「うん」
「変に思われなかった?」
「うん。ううん…、そんなのどうでもいいやん…」
彼女はそう言うと、さらに僕を激しく抱き締めてきた。
「ありがとう。めっちゃ嬉しい」
僕もそう言うと、その腕にさらに力を込めた。
そして次の瞬間、僕らは導かれるようにキスをした。
僕らは最後に、一つになった。
空港に着いた僕は、チェックインの準備を早々と済ませた。
余裕をもって来たせいか、時間はまだたっぷりとあった。
煙草でも吸いながら、ベンチに座って待つことにした。
でもやっぱり時間を持て余してきたので、売店で雑誌を買った。
僕はしばらくの間、その雑誌を読みいっていた。
すると何やら遠くの方から、甲高い足音が聞こえてくるのが分かった。
ヒールの音だった。
そしてその音は段々大きくなって近づいてきたかと思うと、
僕の目も前でぴたりと止まった。
見ると、細くて綺麗な女性の脚だった。
僕はゆっくりと顔を上げた。
すると荒い息づかいと共に聞きなれた声が、僕の耳に飛び込んでくるのだった。
「よかった… 間に合った」
見上げるとそこには、優美がいた。
僕は自分の目を思わず疑った。
きっと、夢だと思った。
でも夢じゃなかった。
だって、目の前が優美がいた。
現実だった…
確かに、現実だった…
「最後にどうしても会っておきたかったの。
だって、ちゃんと『さよなら』言ってなかったでしょ…」
彼女は肩で激しく息をしながら、そう言ってきた。
かと思うと、いきなり僕の手を取って、おもむろに立ち上がらせた。
さらにそうしたかと思うと、今度は人目も憚らず、僕に抱き付いてきた。
僕は突然のことに、ただただ驚嘆するだけだった。
でもしばらくして我に返った僕も、彼女を抱き締めていた。
なりふり構わず…
「わざわざ、来てくれたんだ」
「うん」
「すごく嬉しい」
「うん」
「でも、よく時間分かったね」
「うん」
「坂口くんにでも訊いたの?」
「うん」
「変に思われなかった?」
「うん。ううん…、そんなのどうでもいいやん…」
彼女はそう言うと、さらに僕を激しく抱き締めてきた。
「ありがとう。めっちゃ嬉しい」
僕もそう言うと、その腕にさらに力を込めた。
そして次の瞬間、僕らは導かれるようにキスをした。
僕らは最後に、一つになった。
再び一つに…
そんな僕らに
そんな僕らに
周りの視線なんて
微塵も入る筈もなかいのだった…
最後に、優美は笑顔でこう言った。
「このまま二人で、どっか遠くへ逃げちゃおうか…」
そんな彼女の右手の薬指には
銀色のおもちゃの指輪がしっかりと填められているのだった…
「僕の物語」は
「僕の物語」は
ここでその幕を閉じる。
それからの僕はというと、一年後に杏子と結婚するが、三年後に離婚した。
原因言わずとも分かると思うが、全て僕にあった。
その後実家に戻り、再びサラリーマン生活を続けて現在に至る。
恋愛も幾度となく重ねはしたが、なかなかうまくいかず、今は両親と三人で
ひっそりと暮らしている。
それでも建築設計の仕事だけは、違う形ではあるにせよ、
あれ以来ずっと続けている。
一方の優美はというと、一年後に旦那との間に子供を産んだらしいが、
うまくいかず、その一年後に別れたらしい。
その後は、再婚したようなことも風の噂で聞いた。
でもあの日の空港以来、彼女とは一切連絡を取っていないので、
実際の詳細は不明である。
ただ僕は、今でもあの時のことをよく想う。
僕が出した決断は、本当に正しかったのだろうか。
僕の夢を、あのまま終わらせてよかったのだろうかと。
そして、思い出す。
彼女との輝いていた日々の数々を。
でも、僕は信じるしかない。
だって人生に幾度とくる岐路には、いつも決まって答えは一つしかないからだ。
そして、こう言い聞かせる。
それがあの時の僕たちの「運命」だったと。
でも優美、君が幸せであることを願っている。
君の知ることのない遠い場所から、
それからの僕はというと、一年後に杏子と結婚するが、三年後に離婚した。
原因言わずとも分かると思うが、全て僕にあった。
その後実家に戻り、再びサラリーマン生活を続けて現在に至る。
恋愛も幾度となく重ねはしたが、なかなかうまくいかず、今は両親と三人で
ひっそりと暮らしている。
それでも建築設計の仕事だけは、違う形ではあるにせよ、
あれ以来ずっと続けている。
一方の優美はというと、一年後に旦那との間に子供を産んだらしいが、
うまくいかず、その一年後に別れたらしい。
その後は、再婚したようなことも風の噂で聞いた。
でもあの日の空港以来、彼女とは一切連絡を取っていないので、
実際の詳細は不明である。
ただ僕は、今でもあの時のことをよく想う。
僕が出した決断は、本当に正しかったのだろうか。
僕の夢を、あのまま終わらせてよかったのだろうかと。
そして、思い出す。
彼女との輝いていた日々の数々を。
でも、僕は信じるしかない。
だって人生に幾度とくる岐路には、いつも決まって答えは一つしかないからだ。
そして、こう言い聞かせる。
それがあの時の僕たちの「運命」だったと。
でも優美、君が幸せであることを願っている。
君の知ることのない遠い場所から、
いつでも、どんな時でも、僕は願い続けている。
だけど優美、一つだけ知っておいてもらいたいことがあるんだ。
そして優美、それを君の心の片隅にでもいいから置いておいて欲しいんだ。
君のことを、今でも想い続けているひとりの男がいるということを・・・
そして君との想い出を胸に、今日も生き続けている僕がいるということを・・・
そう、僕は自分でも信じられないけど、
未だに君のことが忘れられないでいる。
そして二〇〇七年、四十歳になった僕は、
君を想い、この物語を書いている。
君との想い出を、決して忘れない為に。
この物語を、いつか君に読んでもらう為に。
そして、夢の続きを見る為に。
そう、僕の夢はまだ終わっていない。
この夢には、きっと続きがある。
そう信じて。
忘れえぬ君へ・・・
これは、儚き君への想いを綴った「僕の物語」だ。
そしてこの「物語」を、いつの日か必ず君の元へ。
ねぇ優美、君を待っててもいいかい?
奇跡を待っててもいいかい?
そして、僕は今日も空を見上げる。
君のいる場所と必ず繋がっている、この青く澄み切った空を・・・
だけど優美、一つだけ知っておいてもらいたいことがあるんだ。
そして優美、それを君の心の片隅にでもいいから置いておいて欲しいんだ。
君のことを、今でも想い続けているひとりの男がいるということを・・・
そして君との想い出を胸に、今日も生き続けている僕がいるということを・・・
そう、僕は自分でも信じられないけど、
未だに君のことが忘れられないでいる。
そして二〇〇七年、四十歳になった僕は、
君を想い、この物語を書いている。
君との想い出を、決して忘れない為に。
この物語を、いつか君に読んでもらう為に。
そして、夢の続きを見る為に。
そう、僕の夢はまだ終わっていない。
この夢には、きっと続きがある。
そう信じて。
忘れえぬ君へ・・・
これは、儚き君への想いを綴った「僕の物語」だ。
そしてこの「物語」を、いつの日か必ず君の元へ。
ねぇ優美、君を待っててもいいかい?
奇跡を待っててもいいかい?
そして、僕は今日も空を見上げる。
君のいる場所と必ず繋がっている、この青く澄み切った空を・・・
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